指輪物語:力の指輪

この9月よりAmazon prim videoで『指輪物語』の前日談「指輪物語:力の指輪」の配信が開始されました。

ご存じ『指輪物語』は邪悪な「一つの指輪」を用いて中の国を支配しようとする悪霊サウロンを相手に人間、エルフ、ホビットらが力を合わせて闘い、これを倒す物語。

一方、今回のドラマは遡ること2千年前、サウロンがいかにしてこの指輪を作ったかが大きなテーマになります。

「待ってました!」とばかりに見始めすっかりはまった私、向こう2年間、次のエピソードまでの1週間を待ちわびる日々となるでしょう(…sigh)

TVドラマとしては破格の制作費(10億ドル、いや、もっと?)を使い、鳴り物入りで始まったこのドラマ、正直、最初のエピソードを見たときには「何だこりゃ?」と首をひねりました。

ケイト・ブランシェットのガラドリエルもかなり強烈だったのに…(p.ジャクソン監督「ロード・オブ・ザ・ロング」)

主人公は本編『指輪物語』の中ではロスロリエンの女王として登場するエルフのガラドリエル。その若かりし頃が描かれます。原作、そして、過去のアニメ、映画などでは楚々としたレディが、ここではいきなり剣を振り回し、屈強の男どもに檄を飛ばしつつ敵を滅多斬り!

「ありゃ、まあ!」

半端ない抵抗感でした。おそらく、この物語のファンなら誰もが同じ思いを抱いたことでしょう。それほど意外な始まりだったのです。

モーフィッド・クラークの戦士ガラドリエル、すごし!

どうしてこんなことが可能だったかというと、これが『指輪物語』の前日談としては確固たる『シルマリルの物語』(クリストファー・トールキン編集)をベースにではなく、『指輪物語』の追補編をベースにしているからです。その当たりの事情に詳しくありませんが、制作を手がけたAmazon Studioが『シルマリルの物語』を使う権利を持っていないからだとか。

追補編』というのは『指輪物語』(1954年)の初版直後に、その前日談を含めて中つ国の歴史や文化をざっと解説したものです。ざっとと言っても、それで一巻を張るほどの量です。でも、トールキンにしてみれば紙数や出版社の意向で泣く泣くそこまで切り詰めたのです。

なので、逆に、制作者側には好都合になったようです。トールキンが語らなかった行間に目一杯の想像力を働かせることができたのですから。天国のトールキンが気に入るかどうかは別として(笑)

ここに無敵の「戦士ガラドリエル」という新たな切り口が誕生したというわけですね。

こちらがロバート・アラマヨの新たなエルロンド。
ヒューゴ・ウィーヴィングのエルロンド。おでこの広さが似てる?

最初こそは強面のガラドリエルに抵抗があった私も、すぐに慣れ、「これはこれでいいかも」と楽しめるようになり、やがて、待ちわびるようになりました。

何よりうれしかったのはその豪華なセット! ぼんやり想像するしかなかった太古の人間の王国、ヌメノール王国が見事にビジュアル化されていたのには驚喜しました。

あれが終盤海に飲まれて沈むのかと思うと、不遜ながらわくわくします(アトランティス大陸)。

ネットの情報によれば、コアなファン層に多くの反発や反論があるということ。全くうなずけます。

ですが、人びとに愛されるよい物語は帆船が飛行船になったり、宇宙船になったりしながら、世代を超えて受け継がれるものではないでしょうか。

とすれば、楽しんだ者勝ちなのでは?

映画「三銃士 王妃の首飾りとダヴィンチの飛行船」2011年

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