キャラクターたち~エルフ

エルフ

『指輪物語』にはいろいろな種族が登場します。

主役のフロド・バギンズホビット族。

これは作者J.R.R.トールキンが『指輪物語』の前日談に当たる『ホビットの冒険』で作り出した新キャラクター。

それまで小人と言えばグリム童話「白雪姫」の七人の小人に代表されるドワーフたちでした。

けれども、トールキンは子供向けの物語を書く際に、丘の下の丸いドアの内側にこの新しい魅力的な種族ホビットを住まわせ、冒険の旅に送り出しました。

ディズニーアニメ「白雪姫」のドワーフがトールキン以前の「小人」の典型。
ホビット族の家。映画のためニュージーランドに作られ、今は観光スポット。

もちろん、ホビットを大切にしたトールキンですが、『指輪物語』で彼が最も情熱を注いだのはエルフ族でした。

トールキン以前、エルフと言えば、花に住む羽の生えた愛らしい妖精の姿で、主に子供向けでした。

トールキンはそのエルフに全く新しい性質を吹き込みます。

男女とも非常に背が高く、顔立ちは美しく、詩、音楽、美術、工芸など、諸芸全般に通じ、不死の命をその追及に費やすため、その水準は人間をはるかに凌駕するとしたのです。

これにより、トールキンはそれまで子供のものだったエルフを大人たち、中でもイギリスで伝統的に厳しい教育を受けていた成人男子に通用するものに作り変えました。

トールキン以前のエルフのイメージ。
トールキンの生み出したエルフは男女同じぐらいに背が高く、美形。

言語学に通じたトールキンはエルフに独自の言語と、それを表記する優雅なルーン文字を与えます。

『指輪物語』&『ホビットの冒険』以前の遥か上古の歴史を扱った『シルマリルの物語』には、そのエルフたちの物語が長々と記され、本編『指輪物語』にがっちりとしたベースを与えます。

いたるところにエルフの美しさが描写されます。エルフに限りなく憧れるホビットたちや人間などの目を通して。

映画ともなれば見る方にとってこれ以上にない目の保養です。何しろ、美男、美女がオンパレード!

ピーター・ジャクソン監督の映画「ロード・オブ・ザ・リング」でエルフ族のレゴラスを演じたオーランド・ブルームは金髪と甘いマスクでたちまち人気上昇(本人はブルネット)。セレブリティの階段を駆け上りました。

その後は「パイレーツ・オブ・カリビアン」や「トロイ」で大活躍。
P.ジャクソン監督のこういったデザインはアラン・リーが。

エルフも参戦する大戦闘シーンには甘いマスクだらけ。つい、兜をはずしてもらいたいと願ってしまいます(笑)

ただ、映画には難しさもあります。

エルフの美しさは外見だけではなく、内面に負うところが多い。

物語中、人間の英雄アラゴルンがエルフの姫君アルウェンに出会ったのは20歳の時。

同年代と信じて話しかけた美しい姫が実は数千年を生きていると気づいてアラゴルンは自分の若さを大いに恥じます。

結局、彼女と結ばれるのは半世紀もの長い試練と苦難を戦い抜いた後のこと(ご心配なく、彼自身もヌメノールと言う非常に長命な種族なので)。

若い容姿に幾星霜を経た深い知恵が宿る美しさは容易に星にたとえられます。

事実、アルウェンと言う名前はエルフ語の宵の明星に由来します。

リブ・タイラーのアルウェン。胸が大きすぎて怖いです~😢
ケイト・ブランシェットのガラドリエルは迫力満点で怖すぎました~🥶

他方に暁の明星を意味するガラドリエルの名を持つエルフの奥方がいます。

物語の中で重要な位置を占めるこの奥方にエルフを宿敵として憎むドワーフのギムリが拝謁した時、その美に感じ入ったギムリは彼女に髪をせがみます。

彼女は笑って、自ら3本の金髪を切ってギムリに与えます、シャンプーもせず、ささっと。

エルフの中でも最高位に位置し、人の心を読み、遠い未来を予知するガラドリエル。

その美しさをどんな美人女優が演じても物語のファンとしてはどうしても違和感を抱いてしまいます。

アラン・リーによるガラドリエル

日本語版、寺島龍一によるガラドリエル

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